「学校を休むと罪悪感が残ってつらい。でも、学校へ行くのも同じくらいつらい。」
そんな気持ちを抱えている学生は、実はとても多いです。
友だち関係の変化、勉強の苦手さ、身体の反応（腹痛・頭痛）、そして「自分の理由は大したことない」と思い込んでしまう感覚…。
これらはすべて、誰かと比べる必要のない立派な不登校の理由です。
この記事では、
- 不登校で罪悪感が生まれる本当の理由
- その罪悪感を和らげるための考え方
- 今日からできる心を軽くするコツ
を、わかりやすく解説していきます。
不登校で罪悪感を抱えてしまう理由
まずはなぜ不登校で罪悪感を抱えてしまうのかはっきりさせてみましょう。
ここでは不登校で罪悪感を抱えてしまう主な理由を４つ紹介します。
１．「みんな行っているのに」による同調圧力
学校は「行くのが当たり前」という空気が強い場所です。
そのため、1日休んだだけでも「自分だけ違う行動をしている」気がして罪悪感を抱いてしまいます。
２．自分の理由を軽いものと感じてしまう
「友だち関係がつらい」「勉強が苦手」「お腹が痛くなる」
これらは決して「弱い理由」ではありません。
ただ、不登校の子はまじめで我慢強いタイプが多いため、
「もっと大変な人がいるのに」「自分は甘えてるだけ」と、自分にだけ厳しくしてしまうのです。
3. 親や周囲に対する「申し訳なさ」
特に日本の親子関係では、「親に心配をかけている」「お金をかけてもらっているのに」といった気持ちから、親に対する申し訳なさが罪悪感の大きな原因となることが多いです。
これは、あなたが一人の人間として独立した存在でありながらも、家族への愛情や配慮を持っている証拠です。
4. 学業への不安と自己肯定感の低下
「休んでいる間に勉強が遅れる」「成績が下がってしまう」という不安も、罪悪感を加速させます。
また、学校に行けていない自分を「だめだ」「価値がない」と感じる自己評価の低さが、根本的な罪悪感の土台を作ってしまいます。
罪悪感を少しずつ軽くする考え方
不登校は決して悪いことではありませんし、たいしたことではありません。
しかし、学生のうちは学校が人生のすべてのように思えてしまうのもまた仕方ありません。
ここでは不登校による罪悪感を少しずつ軽くする考え方を４つ紹介します。
1. 「学校に行けているか」以外の自分を評価する
あなたの価値は、学校に行っているかどうかで決まりません。
- 「今日は朝9時に起きられた」
- 「昨日より1時間長く外に出られた」
- 「猫を撫でてあげた」
- 「つらい気持ちを誰かに相談しようと思った」
こうした「できたこと」や「小さな成長」に目を向けてください。「行けたところ」ではなく「できたこと」で自分を評価する練習をしましょう。
2. 身体の不調は心のブレーキランプだと捉える
ストレスがたまるとお腹が痛くなるのは、あなたの体が「もうこれ以上は頑張りすぎないで」と、あなたを守ろうとしてくれているサインです。
これは「怠け」でも「わがまま」でもなく、体が発する自然な反応です。体調不良を言い訳だと責める必要は全くありません。
3. 今は充電期間と割り切って休養に集中する
人間の心も使いすぎると充電が必要です。
私たち人間も同じで、特に多感な学生の時期は、心も身体もエネルギーを大量に使っています。
今は、未来のために必要なエネルギーをチャージしている時間だと割り切ってください。 休養に集中することは、逃げではなく、次の一歩を踏み出すための立派な準備です。
4. 他人との比較をやめる
「みんな」が頑張って授業を受けているのは事実ですが、「みんな」のつらさや状況はあなたにはわかりません。
人は名前も顔も、育つ環境も、つらさの感じ方も全く違います。
「学校に行けない」という選択は、「これ以上自分を傷つけたくない」という自己防衛の反応です。
誰かと比較して自分を責める必要はありません。
今日からできる「心を軽くする」具体的な行動3選
罪悪感が生まれたときに、あなたの心が少し楽になるための具体的な行動を紹介します。
1. 理由を言わなくても「休みたい」と正直に伝える
仮病などの嘘をついてしまうと、その「嘘をついた」という行為自体が新たな罪悪感を生んでしまいます。
もし正直に理由を話せる相手（親や先生、カウンセラーなど）がいるなら、「理由ははっきりしないけど、今日はどうしても学校へ行きたくない」と伝えてみましょう。
- 嘘をつく罪悪感を減らせる
- 親御さんも「そういう日もある」と理解してくれる可能性が高まる
正直に話すには勇気がいりますが、これが自分を責めることから解放される第一歩です。
2. 学校以外で成功体験を積む
学校を休んでいると、どうしても「何もしていない」という気持ちになりがちです。
そこで、学校以外の場所で「自分はできる」と感じる瞬間を作りましょう。
| カテゴリ | 具体的な行動例 | 目的 |
| 勉強 | 苦手な1科目だけ、簡単な問題集を5分やる。 | 「やるべきことはやっている」という自信につながる。 |
| 趣味 | 読書やゲーム、アニメ鑑賞などに没頭する。 | 暇な時間を作らず、自責の念から解放される。 |
| お手伝い | 家族の食事作りや、散歩、洗濯物たたみなど。 | 「自分は役に立っている」という自己肯定感が得られる。 |
3. 自分の「つらい理由」を書き出し、客観視する
頭の中でぐるぐる考えていると、「全部自分のせいだ」という結論になりがちです。
紙やスマホのメモに、今のつらい理由を箇条書きで書き出してみましょう。
- 人間関係がつらい
- 授業についていけない
- 朝起きるのがしんどい
- 親の目が怖い
書き出すことで、つらさの原因が明確になり、「自分は甘えているだけ」という漠然とした自己否定から、具体的な問題として切り離して考えられるようになります。
まとめ
不登校の罪悪感は、あなたの心が「これ以上無理しないで」と出しているSOSです。
責めるのではなく、まずは受け止めてあげてください。
- つらいなら休んでいい
- 理由は人と比べなくていい
- ゆっくり回復すればいい
- 人生にはたくさんのルートがある
あなたはわがままなんかじゃありません。
よくここまで頑張ってきました。
これからは、少しだけ自分に優しく生きてみてくださいね。
