「中3になったけれど、学校に行けていない」
「全く勉強してない状態で、行ける高校なんてあるのだろうか……」
お子さまが中学3年生で不登校の状態にある場合、親御さまの焦りは計り知れません。
特に、周囲が受験モードに入ると、「うちの子だけ取り残されているのではないか」という不安が押し寄せてくることでしょう。
結論から申し上げますと、中学3年生で不登校、かつ今現在勉強していない状態であっても、進学できる高校は必ずあります。そして、全日制高校への道も閉ざされているわけではありません。
この記事では、不登校の中3生が高校受験を成功させるための具体的な選択肢、内申点への対策、そして「勉強してない」状態から逆転するための学習戦略を徹底解説します。
1. 「勉強してない」は本当に致命的なのか

多くの方が「今からではもう無理なのでは」と感じますが、それは進路を一般的な全日制進学校だけに限定した場合の話です。
学力が高くなくても受験できる枠組みは存在する
公立の進学校を目指す場合、中1・中2内容の定着が求められるのは事実です。一方で現在の高校制度は多様化しており、
- 学力試験を課さない、または簡易的な確認のみの入試
- 書類・面接・作文を重視する選抜
- 学び直しを前提としたカリキュラム
を採用している高校も多く存在します。
こうした学校では「現時点の学力」よりも「これからどう学びたいか」「通学・学習への意欲」が重視されます。
そのため、今は勉強していなくても、高校進学自体が不可能になるわけではありません。
欠席日数が多くても受験できる制度
公立高校の中には、欠席日数が多い場合に審議対象となる学校もあります。ただし近年は、欠席日数の多さそのものよりも、
- 欠席理由
- 自己申告書の内容
- 面接での受け答え
を重視する自治体・高校も増えています。
また、不登校特例校や特別選抜枠(チャレンジスクール等)を設けている地域もあり、出席状況だけで一律に不利になるとは限りません
2. 不登校の中3生に残された4つの進路選択肢【徹底比較】
不登校からの進学先として、主に以下の4つの選択肢があります。お子さまの性格や「毎日通えるか」という体調面と照らし合わせて検討しましょう。
| 学校種別 | 特徴 | 不登校生の受け入れ | 入試難易度(学力) | メリット | デメリット |
| ① 通信制高校 | 自宅学習メイン+スクーリング | 非常に積極的 | 低(面接・作文が主) | 自分のペースで卒業可能。不登校経験者が多い。 | 自己管理が必要。「学校に通う」感覚は薄い。 |
| ② 定時制高校 | 夕方や朝など特定の時間に通学 | 積極的 | 低~中 | 少人数クラスが多い。学費が安い。 | 4年制の場合がある。年齢層が幅広い。 |
| ③ 全日制(私立) | 毎日通学。独自のカリキュラム | 学校による | 学校による(推薦等は要確認) | 手厚いサポート。不登校枠を持つ学校も増加。 | 学費が高い傾向。毎日通う体力が必要。 |
| ④ チャレンジスクール等 | 公立の単位制・不登校特例校 | 専用枠あり | なし(志願理由書・面接) | 内申点・学力を問わない。カウンセリング充実。 | 倍率が高い場合がある。設置自治体が限られる。 |
① 通信制高校
自宅学習を基本とし、月数回〜週数回のスクーリングを行う高校です。
不登校経験者の在籍率が高く、学力試験を課さない、または面接・作文中心の入試が多いのが特徴です。
最近は週3〜5日通学コースを設ける学校もあり、生活リズムを整えたい生徒にも対応しています。一方で、自己管理が苦手な場合はサポート体制の確認が重要です。
② 定時制高校
夕方・夜間・一部は午前中に授業を行う高校です。現在は「働きながら学ぶ人」だけでなく、不登校経験者の学び直しの場としての役割が強まっています。
少人数クラスで学費も比較的安く、基礎から学び直しやすい環境です。ただし4年制の場合がある点、年齢層が幅広い点は事前に理解しておく必要があります。
③ 全日制高校(主に私立)
私立高校の中には、不登校経験者向けのコースや、単願推薦・自己推薦形式の入試を設けている学校があります。
学力試験の負担が比較的軽い場合もありますが、入学後は「毎日通学する生活」が基本となるため、体力・生活リズムの見極めが重要です。
④ チャレンジスクール・不登校特例校(公立)
単位制・総合学科などを採用し、志願理由書・面接・作文を中心に選抜する公立高校です。調査書は提出しますが、合否判定では点数化しない、または参考資料扱いとするケースが多く見られます。
人気が高く倍率が出やすい点、設置自治体が限られる点には注意が必要です。
3. 「内申点」と「欠席日数」の壁をどう乗り越えるか
受験において最大の懸念点は、テストの点数以上に「内申点(調査書)」です。
内申点を強く重視しない高校を選ぶ
公立高校一般入試では、内申点と当日点を合算する方式が一般的です。一方で、以下のような高校では内申点の影響は限定的です。
- 通信制高校(原則として内申点は合否判定に用いない)
- 定時制高校の一部(面接重視)
- 私立高校のオープン入試(当日点重視)
- チャレンジスクール等(調査書は提出するが点数評価しない)
「出席扱い」制度の活用(まだ間に合う場合)
文部科学省の規定により、以下の場所での学習は、校長先生の判断で「指導要録上の出席扱い」にできる場合があります。
- 適応指導教室(教育支援センター)
- フリースクール
- ICT教材(オンライン学習)を用いた自宅学習
特に中3の残りの期間だけでも「出席扱い」を獲得できれば、自己肯定感の回復につながり、面接でのアピール材料にもなります。
4. 「勉強してない」子が合格するための【逆転学習法】
「中1の内容から全部復習しなければ……」と考えると、時間が足りずに挫折します。不登校からの受験勉強には、効率的なショートカットが必要です。
ステップ1:志望校の過去問を「見る」
まずは問題を解くのではなく、志望校の過去問を見てください。「漢字の読み書きだけはできそう」「計算問題の最初の3問は簡単だ」といった気づきが得られます。
ステップ2:「確実に取れる場所」だけ勉強する
- 英語:簡単な単語、定型文
- 数学:計算問題(正負の数・一次方程式)
- 国語:漢字の読み書き、短い作文
応用問題や難問は最初から捨てて構いません。
ステップ3:面接・作文対策に7割の力を注ぐ(ある場合)
不登校生の受験において、学力試験よりも重視されるのが「面接」と「作文」です。
ここでは「なぜ学校に行けなかったのか」という過去よりも、「この高校に入ってどうなりたいか」という未来の話を具体的に語れるかが鍵となります。
- 「中学では人間関係に悩みましたが、御校の少人数教育なら頑張れると思いました」
- 「自分のペースで学習できる環境で、将来の夢であるプログラマーの勉強をしたいです」
このように、ネガティブな経験をポジティブな志望動機に変換する練習こそが、最大の受験対策です。
5. 親御さまができる3つのサポート

お子さまが動き出すのを待つ間、親御さまにできることは「環境整備」です。
1. 情報収集を代行し、選択肢を「提示」する
子供は情報を集める術を知りません。
親御さまが様々なタイプの高校の資料を取り寄せ、「こんな学校もあるみたいだよ」「ここなら制服も自由だって」と、あくまで提案ベースで情報を渡してあげてください。
2. 「見学」のハードルを下げる
いきなり「学校説明会に行こう」と言うと身構えてしまいます。「近くまでドライブに行ってみない?」「外観だけ見て、帰りに美味しいケーキを食べよう」など、プレッシャーを与えずに学校の雰囲気に触れる機会を作ってください。
3. 「勉強しなさい」を「一緒にやろう」に変える
「勉強してない」ことに一番焦りを感じているのは本人です。
そこに追い打ちをかけるのではなく、「お母さんも資格の勉強するから、30分だけ一緒に机に向かわない?」と、勉強する空間を共有するアプローチが有効です。
6. まとめ:今の状態から未来は選べる
「中学3年生・不登校・勉強していない」という状況でも、高校進学の選択肢は残されています。
大切なのは、無理に一般的な進学校ルートへ戻そうとしないことです。お子さまの状態に合った環境を選ぶことで、高校生活を再スタートさせることは十分可能です。
高校はゴールではなく通過点です。まずは情報収集から始めてみてください。
保護者様へ
お住まいの地域にある「不登校生の受け入れ実績がある高校」の合同相談会の日程を検索してみましょう。
(例:Googleで「[地域名] 通信制高校 合同相談会」と検索)
もしご相談したいことがございましたら当塾までお問い合わせください。

