不登校の将来は「絶望」ではない。データと実例で見るその後のリアル

不登校の将来はどうなる?データで見るその後のリアル

「このまま学校に行けなかったら、将来はどうなるんだろう」
「就職もできず、結婚もできず、一生引きこもりになってしまうのでは……」

特に小学校高学年や中学生の時期は、受験という現実的な壁も見え隠れし、夜も眠れないほどの不安を抱える方も少なくありません。

しかし、結論からお伝えします。不登校=将来が閉ざされる、ということは決してありません。

文部科学省の追跡調査によれば、中学校で不登校だった生徒の約8割以上が、20歳の時点では進学や就労をしています。

この記事ではデータに基づいて不登校の将来について解説していきます。

目次

1. 【データで見る真実】不登校の子どもの将来はどうなっている?

データのイメージ画像

まずは漠然とした不安を解消するために、公的なデータを正しく理解しましょう。

20歳時点で8割以上が「社会」とつながっている

文部科学省の「不登校生徒に関する追跡調査」によると、中学3年生で不登校だった生徒が5年後(20歳)にどうなっているかの内訳は以下の通りです。

  • 就学・就業している:81.9%
  • 非就学・非就業:18.1%

このデータから分かるのは、「一度レールから外れたら終わり」というイメージは間違いであるということです。

多くの子供たちが、全日制高校だけでなく、通信制高校や高卒認定試験などを経て、大学・専門学校へ進んだり、就職したりしています。

参照:「不登校に関する実態調査」 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)

「残りの2割」をどう捉えるか

一方で、約2割が20歳時点で進路が決まっていないことも事実です。

しかし、これは必ずしも「一生そのまま」を意味しません。

現代では、20代半ばから動き出す子もいれば、一度就職してから学び直す子もいます。

2. 不登校の生徒が抱える将来への3つの壁とは?

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不登校のお子さん、親御様からよく当塾で相談される代表的な3つの悩みがあります。

ここでは、その3つの悩みについて解説していきます。

①【学歴の壁】高校・大学には行けるのか?

回答:行けます。選択肢はむしろ増えています。

かつては「内申点」が重要でしたが、現在は不登校経験者を受け入れる学校が急増しています。

  • 通信制高校: 今や高校生の10人に1人が選ぶ時代です。自分のペースで通え、大学進学率も上がっています。
  • 定時制高校: 昼夜間定時制など、多様な生徒が学ぶ場があります。
  • チャレンジスクール(都立など): 内申点を問わず、面接や作文で合否が決まる公立高校です。
  • 高卒認定試験: 高校に通わずとも、大学受験資格を得るルートです。

「中学に行かないと高校に行けない」というのは、もはや過去の常識です。

不登校から高卒認定に合格できるか不安な方はぜひこちらの記事をご覧ください。

②【就職の壁】まともに働けるのか?

回答:働けます。ただし「働き方」の常識を変える必要があります。

「毎日満員電車に乗って、上司の指示に従う正社員」だけが正解ではありません。

たとえば集団行動が苦手でも、「特定の分野への深い集中力」や「独創的な視点」を持つ子が多々います。

  • IT・Web業界: プログラミングやデザインなど、スキル重視の世界では学歴や出席日数は問われません。
  • フリーランス・起業: 自分の裁量で働けるスタイルは、対人関係に疲れやすい子に向いています。
  • 専門職: イラスト、調理、美容など、「手に職」をつけるルートも王道です。

③【社会の壁】結婚して家庭を持てるのか?

回答:本人が望めば可能です。

親御さんが最も心配されるのがここかもしれません。

「コミュニケーション能力が低いから結婚できないのでは」という不安です。

しかし、不登校経験者は人の痛みがわかる人が多いと私は思っています。

学校という狭いコミュニティでは浮いてしまっても、社会に出て趣味の合うパートナーや、多様な価値観を認めるコミュニティに出会えれば、自然と恋愛や結婚に至るケースは数多くあります。

ただ、一方で無理に「普通の結婚像」を押し付けないことも大切です。

3. 不登校期間を武器に変える視点をもってみよう

多くの記事では「どうやって学校に戻すか」「どうやって進学させるか」に終始しがちです。

しかし、ここでは「不登校期間があったからこそ得られるスキル」について解説します。

ここが、お子さんの将来を明るくする鍵です。

「非認知能力」が育つ時間

学校ではテストの点数(認知能力)が重視されますが、社会で成功するために重要とされるのは「非認知能力(忍耐力、自制心、やり抜く力など)」です。

不登校の期間、悩み苦しみながらも自分と向き合い、「自分は何がしたいのか」「どう生きるべきか」を自問自答した経験は、他者の顔色を伺って生きてきた人にはない「自己決定力」という強い非認知能力を育てます。

「好き」を極めるアプローチ

不登校の子どもは、時間がたっぷりあります。この時間を「勉強の遅れを取り戻す」ことだけに使うのはもったいないことです。

  • ゲームが好きならプログラミングや動画編集へ
  • 絵が好きならデジタルイラストや3Dモデリングへ
  • 読書が好きならライティングや翻訳へ

学校のカリキュラムに縛られず、一点突破でスキルを磨くことで、同級生が大学を卒業する頃には、その分野のプロフェッショナルになっている事例も珍しくありません。

4. 具体的にこれからどうしていくべきか不安な方へ

では、具体的にどのようなステップを踏んで将来に進んでいくのか、その一例となるロードマップを見てみましょう。

あくまで一例ですので参考にしてみてください。

ステップ1:休息とエネルギーの回復

まずは「行かなくていい」と認め、心身を休ませます。
昼夜逆転も、心が回復する過程で自然と治ることが多いです。

この時期に焦って将来の話をするのは逆効果です。

ステップ2:居場所探しとスモールステップ

家以外の「第三の居場所」を探します。

  • フリースクール
  • 適応指導教室
  • オンラインの習い事
  • 趣味のオフ会

「学校以外の社会」と接点を持つことで、「学校が世界の全てではない」と肌で感じることが、将来への希望になります。

ステップ3:自分に合った進路選択

全日制にこだわらず、通信制、定時制、高等専修学校などを見学します。

普通にこだわらず、自分の意思で進路を選ぶことが大切です。

ステップ4:キャリア形成

大学進学、専門学校、就職、あるいはアルバイトからスタート。

重要なのは「回り道を許容すること」です。一度就職して辞めても、また別の道を探せばいいでしょう。

不登校を経験した親子は「一度レールを外れても生きていける」というタフさを持っています。これが最大の強みになります。

5. 親ができるたった2つの最も重要なこと

将来への不安を解消するために、親御さんが今日からできることは何でしょうか。

塾に入れることでも、無理やり登校させることでもありません。

① 親自身の「不安」と子どもの「課題」を切り離す

「将来引きこもりになったら私が困る」「親戚になんて言われるか」 これは親の課題です。

子どもは、親の不安を敏感に察知します。

「あなたの将来が心配」という言葉は、子どもにとって「今のあなたはダメだ」というメッセージになりかねません。

まずは親御さんが、親の会やカウンセラーに相談し、親自身の不安を吐き出して安定すること。これが先決です。

親の精神状態が不安定だとそれがお子さんに伝わり悪循環に陥ります。

② 「学校復帰」をゴールにしない

「将来=学校に行って就職すること」ということをゴールにしないでください。

ゴールは「子どもが自立して、幸せに生きていくこと」はずです。そのルートは学校経由でなくても構いません。

まとめ:不登校は「転機」になりうる

不登校になると、
「就職できないのでは」「結婚できないのでは」「一生引きこもりになるのでは」
と将来への不安が一気に押し寄せます。

しかし、文部科学省の追跡調査が示す通り、中学時代に不登校だった子どもの8割以上は、20歳時点で進学・就労という形で社会とつながっています。
不登校=人生終了、という考えは事実ではありません。

大切なのは、「学校に戻すこと」をゴールにするのではなく、
子どもが自分のペースでエネルギーを回復し、自分に合った進路や働き方を見つけていくことです。

通信制高校や高卒認定、専門職、IT分野など、選択肢は年々広がっています。
また、不登校期間に培われる「自己理解」「非認知能力」「好きなことへの集中力」は、将来の大きな武器にもなります。

不登校は決して失敗ではなく、人生を立て直すための「転機」になり得る出来事です。
焦らず、比べず、子どもが再び動き出すその日まで、環境と選択肢を整えていきましょう。

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